ホーム ふまねっと運動 ふまねっとの紹介

ふまねっととは?
 ふまねっと運動とは、50センチ四方のマス目でできた大きな網を床に敷き、この網を踏まないようにゆっくり慎重に歩く運動です。
 マス目を利用したステップがたくさん用意されており、このステップを間違えないように「学習」しながら歩行のバランスを改善する「運動学習プログラム」です。集団で交差して歩くこともできるので、レクレーションとしても楽しむことができます


杖歩行の方や虚弱な方も楽しめます
 ふまねっと運動は、車いすや杖歩行の方でも参加ができます。一日に数十歩しか歩けない方々の、一歩一歩を貴重な運動資源として、大切にしたいと考えた末に開発されました。
 ふまねっと運動は、筋力向上を目指す従来型の運動プログラムではなく、からだの動きに注意を集中させて、全身のバランスや認知機能を向上させることを重視とした「運動学習」プログラムです。


失敗すればするほど交流が深まります
 ふまねっと運動をやると、「次はどっちの足だっけ?」と四苦八苦する学習過程を通過します。だれかが失敗すると、思わず会場が盛り上がり、拍手が起きたり、声援が寄せられ、にぎやかに、なごやかに教室を進めることが出来ます。
 ふまねっと運動では、黙々と体の機能を向上させるためだけに体を動かすのではなく、運動を通して地域とのつながりや絆を深め、毎日の生活を豊かにすることができるよう、「交流」の要素を重視しています。


安全と継続のため、ふまねっと指導者がお手伝いします
 このふまねっと運動は、とても単純な運動のため、多くの方が「簡単だ!」と早合点して、自分の経験と先入観にもとづいて、自己流で進めてしまう傾向があります。しかし、それは参加者が減り、継続を難しくする結果を招きます。
 そのため、私たちはこのふまねっと運動の新しい理論と魅力を伝え、楽しさを体験してもらい、安全と継続のための指導法を十分理解していただいた方にふまねっとを頒布することにしました。ふまねっとをご購入いただくためには、施設や団体の中のどなたかが必ずふまねっとサポーターか、ふまねっとインストラクターの資格を取得していただく必要があります。それによって、正しく、効果があり、継続につながる、楽しいふまねっと運動を広げていくことができるのです。そうすることによって、私たちは高齢者の健康と歩行機能の改善、社会参加の拡大に貢献して参りたいと希望しております。



ふまねっと運動には、高齢者の歩行機能と認知機能の改善効果が期待できます。これまでの研究で、ふまねっと運動には、週に1回、毎回60分程度の練習を継続的に行うことで、歩行時のバランスを改善したり、認知機能を改善する効果があることがわかってきました。


歩行の改善効果
老健施設の通所利用者約21名を対象に、1回100歩程度のふまねっと運動を週に1回、60分から90分かけて6週間行った結果、Timed Up & Go という歩行機能測定で、歩行速度、歩幅、歩数において、平均9%の改善が見られました。ふまねっと不参加群17名の測定結果と比べても有意な差が見られました。この報告は、『精神看護』(医学書院、2008年7月号P68-77)に掲載されています。

認知機能の改善効果
北海道内12地域において73歳以上の一般高齢者131名を対象に、毎週1回、60分のふまねっと運動を8週間続けて実施した結果、「タッチエム」という認知機能測定の合計得点が4.5%向上しました。ふまねっと不参加群50名と比べても有意な改善が見られました。