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FUMANET

ふまねっと運動

ふまねっと運動の効果

あみを踏まないようにゆっくり歩く。

ふまねっと運動とは、約50㎝四方のマス目でできた大きな「あみ」を床に敷き、その「あみ」を踏まないように、ゆっくり慎重に歩く運動です。ふまねっと運動にはさまざまなステップがあります。最初に、ステップを覚えます。ステップを覚えたら、ふまねっとの上を「ステップを間違えないように」、「あみを踏まないように」、「ゆっくり」、「慎重に」歩きます。ステップができたら、手拍子を加えます。これらの動作によって注意、集中、記憶などの高次認知機能やバランスの改善、歩行改善につながると考えられます。

ふまねっと運動は、注意、集中、記憶を改善する運動です。

要介護1男性の歩行機能が6回のふまねっと運動で34%改善しました。

老健施設に通う84歳の要介護1の高齢者が、週1回6週間のふまねっと運動の参加で歩行機能測定(TUG)のタイムが34%改善しました。
この映像は、札幌市内の老健施設で行われたふまねっと運動の研究記録です。要介護1の高齢者がふまねっと運動に参加する前後で歩行を比較したものです。週に1回、6週間の参加によって、歩幅もひろがり、歩く姿勢やバランスがよくなっていることがわかります。ふまねっと運動に参加する前(上)は、常に両足に体重をのせた状態で歩行していましたが、6週間後(下)になると、瞬時に左右のどちらかの片足に体重を移動して歩行していることがわかります。これは、中枢神経の左右への体重の移動調節機能が改善したことを意味していると考えられます。

84歳男性歩行改善効果前後比較

車椅子の高齢者が楽しく参加できます。だれ一人取り残さない。

車椅子の83歳の女性が始めてふまねっとに挑戦した時の様子です。30歩程度で歩行のバランスが改善し、歩幅が広がっていくのがわかります。ふまねっと運動は、足の動きを正確にに行うことに注意を集中させることで、中枢神経の機能を改善させることを目的とした運動です。杖や車椅子を使っている方もふまねっと運動に参加できます。杖や車椅子を使っている方の場合、1回のふまねっと運動で歩く歩数は約100歩、距離にして約25m程度です。少ない運動量でも歩行機能、認知機能の改善効果が期待できる運動です。歩き終わった後の、この女性の笑顔をご覧ください。

車いすの女性がふまねっとに初挑戦

ふまねっと運動に参加する高齢者はうつが52%少ない。北海道池田町。

北海道中川郡池田町の70歳代の全住民を対象に行われた断面研究では、ふまねっと運動に月に1回以上参加している人は、参加していない人と比べてうつの発生リスクが52%低いことがわかりました。ふまねっと運動は1ヶ月に1回参加するだけでも、うつを予防する効果が期待できそうです。Showa, S., et al., Net-step exercise and depressive symptoms among the community-dwelling elderly in Japan. The Sapporo medical journal, 2015-12, .84, 19-26,

ふまねっと運動のうつの予防効果

6回のふまねっと教室で認知機能が9.8%改善しました。北海道北見市。

2023年8月17日から、北海道北見市の北見駅の横にあるコミュニティプラザ「Parabo(パラボ)」で認知機能の改善を目的としたふまねっと教室が行われました。北海道大学大学院保健科学院の村上新治教授(当時)が開発した認知機能測定機「タッチエム」を使ってこの効果を調べたところ、6回の教室で得点が平均で9.86%改善しました。高齢者のボランティアが指導するふまねっと運動で、8回の参加で認知機能を6.8%改善する研究報告が2015年に行われています。Kitazawa, K. et al. Effect of a dual-task net-step exercise on cognitive and gait function in older adults. J Geriatr Phys Ther. 2015 Jul-Sep;38(3):133-40.

北見市で行われているふまねっと教室

認知症の人も参加できます。認知症基本法が求める共生社会を実現。

2005年から2016年まで行われた北海道教育大学釧路校の公開講座「ふまねっと教室」には、毎回60名以上の地域住民が参加しました。認知症の人やパーキンソン病の人が、他の皆さんと一緒に楽しく運動しました。ひとあし早く、共生社会を実現しています。ふまねっと運動を行っていると、思わずステップを間違えてしまうことがあります。誰かが失敗すると笑いが起こり、拍手や声援が寄せられ、会場がとても盛り上がります。間違いをきっかけにコミュニケーションが生まれ、お互いのつながりや共生を深めるという運動でもあります。間違えるのは、認知症の人も、健常者も、障がい者も、誰でもみんな同じです。

ふまねっと運動の歩行機能改善効果

ふまねっと運動で高齢者が地域の健康づくりの担い手になって活躍します。

ふまねっと運動は、過疎地における住民主体の健康づくりを支援するために2004年に開発されました。ふまねっと運動によって、高齢化過疎化するする地域でも、高齢者自身が指導者になって健康づくりの担い手として活躍することができます。上富良野町では町内会を中心に、ふまねっと運動の指導者になった高齢者が毎週介護予防教室を開催しています。

はじめてのふまねっと運動

介護給付費が6年間で61%削減されました。北海道中川郡池田町。

十勝ワインの産地で有名な池田町では、2008年から連合町内会(13町内会)でふまねっと運動を取り入れました。池田町社会福祉協議会の支援のもと、各町内会が毎月2回のふまねっと教室を15年間継続して行っています。池田町役場が調べたところ、2012年には23,627,000円だった介護給付費が2018年には9,190,000円になり、6年間で61%削減されたことがわかりました(『北海道の国保』2022年8月号9頁)。この6年間に池田町では高齢者人口が6%増加し、85歳以上人口が23%増加しましたが、要支援の新規認定申請者が34%減少し、要支援認定者延べ人数が22%減少しました。その結果、介護保険料を5,500円から5,186円に値下げすることができました。北海道内の市町村でこの値下げ率は第1位です。池田町の高齢化率は2022年に45%を超えており、十勝地方では最も高い高齢化率です。したがって、高齢化率が高いことは介護保険料が高いことの理由にはならないことがわかります。

ご自宅で、ひとりでも参加できます。

6畳程度の広さがあれば、おうちでふまねっとができます。コロナ渦中に開発されました。いつでも、誰でも、自宅で、無料で、ふまねっと運動を楽しむことができます。オンライン教室は3年間で600回を超えました。現在ライブ教室は終了しましたが、YouTube録画は300回以上ご覧になれます。

【初級コース】6月27日オンラインおうちでふまねっと教室【第602回】

ふまねっと運動を導入したい

ふまねっと運動を導入するためには、「ふまねっとサポーター」または「ふまねっとインストラクター」の資格を取得してください。

ふまねっとサポーター講習会
ふまねっとサポーターは介助を必要としない高齢者にふまねっと運動を指導するための資格です。
地域のサロンや介護予防教室でふまねっとを行う場合はふまねっとサポーター資格を取得してください。
ふまねっとインストラクター講習会
ふまねっとインストラクターは介助が必要な高齢者にふまねっと運動を指導するための資格です。
病院や介護施設でふまねっとを行う場合はふまねっとインストラクター資格を取得してください。