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お知らせ

役場と社協の連携で介護給付費が61%削減されました。北海道十勝池田町です。

取材先:池田町役場福祉課課長 鈴木聞(すずき きこゆ)様、池田町社会福祉協議会事務局長 佐藤智彦(さとう ともひこ)様。聞き手:北澤一利(認定NPO法人ふまねっと理事長)

はじめに
北海道の国保連合会が発行する雑誌『北海道の国保』8月号『北海道の国保』令和4年8月号HPで、池田町の介護給付費が2012年度から2018年度にかけて61%削減されたという記事が掲載されました。なぜ、池田町で介護給付費が減ったのか。そこには、長年にわたり積み重ねられてきた役場と社協の連携事業がありました。池田町役場福祉課の鈴木聞(きこゆ)課長と、池田町社会福祉協議会の佐藤智彦事務局長に2022年10月7日にオンラインビデオ会議を利用してくわしいお話をうかがいました(2022年12月28日更新)。

北澤
池田町では、平成18年(2006年)から今日まで15年以上にわたり、社会福祉協議会が住民のボランティア活動の1つとして、ふまねっと運動を支援しています。今回、この結果を見て、鈴木課長はどうお感じなのか、率直な感想をお聞かせください。

鈴木
はい。池田町では、平成25年度から社協と協力して、ふまねっとの支援とか、その他の介護予防事業をバックアップさせていただくことにしたので、その効果を数値化しようということで調べました。その結果、特に通所の利用がそうとう少なくなっています。池田町では、普通のデイサービスではない、もうちょっと軽度の方が通えるような場所を作っているのですが、そちらに通っている人も含めて介護給付費に加えてみたとしても、かなり減額されていたということがわかりました。
減額されたということは、介護給付費が大幅に減ったわけですが、町の支出がその額の分だけまるまる減ったというわけではありません。介護給付費はマイナスになったのですけれども、その金額の8割に近い金額の分を、逆に一般介護予防に払っていくという形です。
まあ、減った分がまるまるうくわけではないのですが、ただその効果を考えますと、同じお金を使うのであれば予防の方に使ったほうがよっぽど効果的だよねということで、結果としては、かなり満足のいくもんだったかなと考えています。

北澤
はい、ありがとうございます。なるほど、一般介護予防事業の方で積極的な予算を立てたために、そちらで支出が増えるのですが、それによって通所利用者が減り、介護給付費が減ったということです。その方が健全だと言えるでしょうね。要介護認定を受けた人たちの介護にお金を使うのではなく、元気な人たちの活動をサポートするためにお金を使っている、というふうに考えられるというわけですね。そのような感想でしょうか。

鈴木
そうですね。介護給付費の減額と同じ分だけ予防に使えば、「プラマイゼロ」じゃないか、みたいな感じになりますけど、長期的にみるとやはり予防で済んでいれば、介護の重度化を減らす、遅らせる結果にはつながるだろうなと考えています

北澤
それはまさしく「健康寿命が延伸した」ことを意味すると思います。私はとても共感します。同じ質問ですが、佐藤事務局長はどうお考えでしょうか?この記事を見ますと、佐藤さんがだいぶ前から取り組んでいた住民の活動支援が少しずつ実ったような印象がありますけれどもどうでしょうか?

佐藤
私はケアマネージャーをずっとやっていて、そっちが専門です。そこで、介護を受ける手前のような人たちの活動として、ふまねっとのような場を増やす。これがやっぱり必要だなって感じたところから始まっています。ゴールもやはり利用者が介護にならないようにする、というのが自分の中でタスクとしてあって、でそのために何が必要かって逆算して考えた結果、ふまねっととの出会いがあり、それが着火点だったんです。
多分、今のケアマネージャーが考えているのは、デイサービスのような介護サービスがまず先にあって、その中から利用者が使えるサービスを集めてプランをつくるのが仕事みたいなイメージがあると思うんです。
逆なんですよね。先にまずふまねっとような活動の場、つまり、高齢者が自由に活動できる場があって、そこに高齢者がみんなで通えるようにしておく。その上で、デイサービスを使わざるを得なくなった時には、この高齢者の活動の場+デイサービスになるっていうだけです。そこで今度は、デイサービスに通いながら、今まで通ってた活動の場にはやく帰りましょう、またみんながいるふまねっとに戻りましょう、という新たなモチベーションを加えることができる。それが、私の考えるケアマネージャーです。やっぱり大きな違いなんですね。
つまり、ケアマネージャーは介護サービスを選択するのが仕事ですが、スタートラインは、利用者が介護サービスが不要となるにはどうしたらいいかを考えるのが使命なのです。
鈴木課長を始め池田町の取り組みというのは、そこに気づいたっていう説明だとよくわかるんじゃないかと思います。そこで初めて、現在国が言っているデイサービスの予防っていうことが意味をなしてくるんです。

北澤
はいよくわかります。「スタートライン」として、介護を受ける手前の人達が「参加、活動できる場」を作ることが「核心」だということですね。それによって、介護を受けなくてもすむように、自分の力で回復できるようにする。本来そうあるべきなんでしょうけど、一般的にはその逆で、先にデイサービスがあって、その補完的な役割として介護予防教室が行われているというような順序になってる。
そこで、池田町はその逆をめざした。高齢者の活動の場というのをきちっと作って、そこでちゃんと社会活動を提供した上で、そこがきびしくなったところで、デイサービスが補完するんだっていう順序ですね。そのため、一般介護予防事業の支出を増やした。

佐藤
そうです。まあ高齢になれば必ず老化しますから、必ずADLが落ちますので、活動の場がなければ行くところがないなら、デイサービスに行ってくださいって話になるんですけど、鈴木課長とよく話をしたんですが、この人はデイサービスじゃなくてもいいよねっていう人は相当数いたんじゃないかっていうのがあるんです。

北澤
なるほど。鈴木課長、どうですか?

鈴木
結構いらっしゃいました。私は10年ぐらい前から介護の相談を身近に見てきました。平成22年、23年頃によくあったのが、ご家族の方が「うちのおじいちゃん、おばあちゃんは前はいろんなお友達と会っていたたんだけれど、外出しなくなってこのままじゃ認知症になるんじゃないか心配なのでデイサービスに通わせたいんです。」という相談でした。デイサービスに通うのが、家族の心配からということが結構ありました。
ただ、ご本人は、そんなに歩けないわけでもなく、自分のことができないわけでもなく、頑張って付けて要支援1くらいの方たちが、無理やり通い始めるということがあったんです。それが今のように、デイサービスではなく、ふまねっとや介護予防教室で満たされるのであれば、それで良かったんだなと思います。そういう相談自体は、社協の事業ができたことで相当数減った。その結果が要支援の認定者数の減少に繋がったと思っています。

北澤
なるほど。そうすると、まだデイサービスほどではないけど、どっかでその別の受皿を探さなければならなかった。

鈴木
そういう方は新しいお友達を自分たちでつくることができないので、受皿を探すとなればデイサービスしかないのだろうなと。ご本人が納得して行かれるというよりも、家族が心配して決めるという人が結構いたのだろうなと思います。

北澤
最前線でねその住民と接していると、そういう家族とご本人の印象を見て感じたんですね。

鈴木
そうですね。実際は認定してみたら非該当で、介護保険を使えないなって方も、やっぱりいらっしゃいました。

北澤
なるほど非常によく分かります。そこで、佐藤さんもおっしゃったように必要だと感じたのが、そういう非該当の人たちの受皿ですね。

佐藤
自立支援っていうんでしょうか。交流も兼ねてやるようなそういう場が必要です。だから今も社会参加って言われてますけど、高齢になるとその社会参加する場所が、だんだん無くなっていくんですね。ですから、ふまねっとは丁度いいタイミングでした。
それとレスパイトといって、家族が休むために高齢者をデイサービス出すっていうニーズがあったのですが、だんだんそれが減ってきています。高齢化が進んで単身世帯が増えていて、ニーズが変わってるんですよ。

北澤
なるほどはい。

佐藤
それで、家族のレスパイトのニーズでデイサービスに行くことはなくなるので、その後、自分自身がどうしたいかということに課題が移っていると思います。そういう意味では、その高齢化が悪いばかりじゃないっていうかね。

北澤
なるほど。

佐藤
つまり、デイサービスに行くかどうかの判断は、家族の事情ではなく、自分次第になってきたことで、単身の高齢者が自立しやすい環境になっているとも考えられる。池田町は高齢化率がまもなく50%を迎えるので、そういう自覚が高まったこともあるのではないか。

鈴木
独居の高齢者が閉じこもって周りの目が届かなくなってしまうという状況はもうどんどん進んでいます。高齢夫婦世帯も増えています。だから高齢者は、衰える前から、だれかとなにかで関わっていないと、誰がどこにいるかもわからない状況がすぐにきてしまう気がします。その辺の危機感もあります。だから、今は独居単身高齢者が多くなったけれども、ご自分でなんとかしなきゃならないと思う人は参加してくるだろう。また、そう思ってもらわなければならないのです。

北澤
自分で参加してくるだろうということですね。課長の話は、その独居が増えていくんだけども、衰える前に、いつでも高齢者が参加できる活動の場というのを作っておいて、そこにこう接触っていうか、地域社会と接触しておけば、参加する機会があれば、周りの目というのが機能するんじゃないかということですね。

鈴木
ふまねっとの時に、いつもよく見る人がいなければ、誰かが、「あれあの人こないよね。」となりますよね。それが元気なうちからこもってしまうと、やっぱりわからない。突然だめになっても、誰もその人のことを知らないっていうケースがある。

北澤
ふまねっとをやっていれば、あの人出てこないよって情報が自然に集まってくる。ふまねっとが地域のコミュニティアンテナをはたす役割は大きいんじゃないの佐藤さん?

佐藤
そうですね。だからふまねっとは、本当にそういうツールとしていいんです。けれども、この活動を維持するのはたいへんです。住民主体が理想とは言え、高齢者だけではできません。住民の皆さんは、ふまねっと以外の日常的なつながりもそれぞれあるわけで、それがだんだん年齢とともに変わっていくことやあきらめちゃうこともあります。小さな町内の人間関係もからむので、コミュニティー活動を維持するのはとても大変です。
そんな場合に、行政が住民の中に入っていって、これをしなさいとか、こうした方がいいですよと言う立場にはありません。そんな時に、家族でもない、行政でもないところで、私たち社協が住民の立場に立って、「こうした方がいいんじゃないですか?」っていうお話をする。まあそれが社協だと思ってるんです。
まだ住民に十分に理解されてはいないんですが、まあそういう団体(社協)があるっていうことが心強いって思ってくださっている方は、このふまねっとの活動を通してだいぶ増えたのでないかと思います。老人クラブとか町内会とか。そういう団体は、私たちの大事な活動のベースになってます。

北澤
そうか。その家族でもない、行政でもないっていう中間的な立場で住民をサポートする。住民活動は、住民だけじゃなかなかできないことだから、少しだけサポートする役割を果たしているのが社協なんですね。それによって、なんとかつながりが維持されてるのが老人クラブや町内会なんだ。

佐藤
維持するために、つかず離れずですよね。だから本当に伴走的な支援と言われるんですけど、寄り添って、やり過ぎてもだめです。他のとこでは、やりすぎちゃってるんですよ。
例えば、介護予防教室をやるとしたら、イスを並べたり、道具を運んだり、受付をしたり、一から十まで、社協や役場の職員が全部やってる。先生も前、言ってましたけど。

北澤
そうでしたね。ある町では、介護予防教室ではバスで送迎した上に、バスからの住民の乗り降りから歓迎、受付、イスの配置、消毒、検温、血圧測定、ボランティアさんの対応、イスの片付、見送りを役場の職員や保健師が2人〜3人がやってました。職員が旅館の女将で、住民がお客様のようでした。これは、やり過ぎだと思いました。

佐藤
僕らは(住民の皆さんに)全部やってもらってる。

鈴木
社協の活動報告を月に一回聞いて行く中では、やはり距離感を相当考えて、落ちてこないように、けれど詰め込み過ぎないようにという、丁度いい距離を意識して活動してるとすごく感じるんです。
行政が丸抱えは、もちろんできないんですけれど、同じように社協があまり手を出しすぎるのもよくない。人間はやってもらえると思うと楽な方ばかり選び、慣れるとどんどん我儘になって、社会性もなくなっていく。だから自分たちで運営してもらえる組織があるっていうのが、社会性の維持という点で一番良いのだと思います。

北澤 なるほど。

鈴木
例えば、町で何か新しい事業をやろうと思うと、そこはもう丸抱えにならざるを得ない。逆に、住民の皆さんに自分たちでやってくれと町がいうと、とんでもないといって怒られます。行政と住民とのそういう関わり方ってかなり難しいです。けれど、社協のスタンスで関わってもらえると、自律をうながしながら、上手く回してもらえていると感じます。

北澤
それは相当難しいさじ加減だね、佐藤さん?

佐藤
池田町社協は、ふれあい広場っていう町民参加型の社協の事業を毎年、年に一回やっていて、今回は(2022年9月に)3年ぶりにやりましたけど、多分あれ役場で同じようにはできないと思うんですね。百人以上のボランティアが、自分たちで持ち場を考えてやってるんですよ。それがもう平均年齢が75歳の人たちも出てきて手伝ってる。そこに出てくる人の意見をみても、すごい前向きな意見ばかりです。(現在コロナ禍で短縮されているので)早く一日日程でやりたいとか。これは、やっぱり、そこに参加してる自覚があるからだと思います。例えばキャンプでは、キャンプを仕切る人が実はキャンプの楽しさをいちばんよく知っているのと同じです。キャンプでお世話になってる人、ちょっと参加だけの人は、キャンプの本当の楽しさがわかってないっていうかね。そういう面で言うと、町のイベントも、仕切り(運営)をやっぱり住民の人にやってもらうのがよいと思う。そのため、ふれあい広場では、できる範囲で住民に持ち場や仕切り役をわたすようにしています。そういう意味でもふまねっとは(住民が仕切っているので)素晴らしいんですよ。

北澤
はい。行政の鈴木課長と、社協の佐藤さんの立場からのご意見をきいて印象的だったのは、「住民が自分でやろうという気持ちになってもらうことが必要だ」という点が共通していることです。
ところがこの目的を達成するには、行政からできることは限られている。あのなんて言うんですか、行政は住民の行動に意見や介入干渉はしにくいからです。そこで、どちらかというと住民サイドの立場にいる社協から、住民にそういう気持ちになってもらえるような仕掛とかあるいはつながり、住民同士の組織を作るアクションっていうのをやってもらえるといいんじゃないかと、そんな風に聞こえました。それが池田町社会福祉協議会がうまくやってくれているんだっていうふうに、課長は評価されているようですけどどうでしょうか。

鈴木
そうですね。今おっしゃっていただいた通り、こちらではできにくい部分を非常に上手く回していただいているなって言うふうに感じている。行政と住民の間っていうのはどうしても距離ができてしまうし、行政は担当が変わったり移動したり、全く福祉を知らない人が突然きたりとか、そういう問題も含んでいますので、その中で専門的に福祉に関わっている方にやっていただけるというところも意味があるところかなと思うんですよね。

北澤
はい。そうすると、次の質問になりますが、「介護給付費が削減されたのは池田町のどのような取り組みが功を奏したと感じていますか?」という質問ですけれども、池田町の住民が「自分たちでやるんだっていう意識をもった」というのが答えになりますか?個人だけじゃなく、池田町の町内会とか老人クラブ、いろんな団体サークルも含めて、「自分達でできるんだ」という意識を持ったからということになりますか?

鈴木
そうですね。私は話している中で、介護の予防に関する考え方って、池田町には昔からあったものなのかなと思いました。高齢になっても、何もせずただボーッとしていることが幸せな訳じゃないよというふうに。それは昔からあったのかなと思っていて、そういう啓発はずっとされてきているので、どの程度それが町民の方に浸透しているかっていうのは分からないんですけど。

北澤
なるほど。

鈴木
私たちの中で介護の予防というものについては、ほかの地域よりは理解が得られやすい環境があったのかなと思うんですよね。ただ、その環境があったとしても機会をもらえなければそれは生きてこないので、そういう機会を社協がいろいろ用意してくれたというところがあると思うんです。
また、人を集めて何かするというだけじゃなくて、「知っていただく」ってことも必要だという方向からのアプローチとして、介護支援ボランティアの講習を、ボランティアになる方に必ず受けていただいたことも重要だったと思います。この講習の中で、介護についての知識を持っていただくとか、予防について考えていただく流れがありました。また、老人クラブの事業の中で、介護保険の現状や、介護を受ける時に気を付けることなどの講座があり、それも非常に重要だったのかなと思います。それはジワジワと皆さんの中に「ああ、そういうものだよね。」という基礎知識を共通に持っていただくベースとなってきているのかなと思います。

北澤
なるほど。そうすると今たくさんのお話がありましたけどまず池田町には生きがい焼きのような高齢者像に対する積極的なイメージを持っている文化があったと。

鈴木
はい

北澤
そこにその文化だけじゃなくて、その文化の精神を実現する機会(チャンス)が必要で、その機会の一つにふまねっとのようなものが生きたと。

鈴木
はい

北澤
さらにそれだけじゃダメで、介護などの基礎知識を知ってもらうというのが必要で、それは池田町社協が町内会や老人クラブを対象に行った地道なボランティア講習が重要だったんじゃないかと。この三つ、生きがいづくりの文化(精神)、ふまねっと(社会参加の機会)、ボランティア講習(知識と技術)が池田町の長所と特徴なんじゃないかという話ですね。

鈴木
そうですね。やっぱりあの養成講座は結構重要ですよね。どうですか局長。

佐藤
そうですね。

北澤
佐藤さん、そのあたりのご苦労というか養成講座のことをくわしく教えてください。

佐藤
そうですね、このまま高齢化の備えをしなかったら大変だぞって、住民に気がついてもらうにはどうしたらいいかっていうことだったんですね。なので早く、その絶対たどる道っていうことについて介護保険制度などの基本的な情報を、新聞テレビで流れてくるニュースが自分の暮らしに結びつくぐらいの情報を早めに知っておくことが重要だと思いました。介護保険を受けている人や必要な人が、介護保険のことを全く知らないということが現実にあるんです。
実は介護保険も、毎年すごい複雑になってくるんで、それをあの認知症になりかけた人たちにも理解させようとして、ケアマネジャーも努力して説明するけれど、そういう話は、もう困ってる人が、困っている段階で聞く話じゃないんですよ。もっと早い時期に、介護保険証が65歳に渡されるその頃から、保険者や国民の義務とかの話を学んでおくのがいいと思います。
地震はいつ来るかわからないから備えても無駄になるかもしれないけれども、介護の問題は、必ずみんなに等しくきますよ。それも近い将来っていうかね。だから、備えておくことが必要です。そして、備えることができますよねってことなんです。研修では、具体的な事例を紹介します。やっぱり僕らも介護で経験してますのでいろんな方の例を見てます。もうちょっと早くその話をね、その方に伝えておけばよかったなってことがあるんです。今からまあ考えてみてはいかがですかっていう研修をします。
その結果、相談がある程度早い段階でできるようになりました。ケアマネジャーを探そうとか、包括に相談に行こうとか、介護予防教室に行ってみようとか、早い段階になっていき、深刻化する前に問題が解消される結果につながっていったと思います。
住民からの関係機関への「ファーストタッチ」の時期が、かなり早い段階に移るんだったら、学びによっては、地域内で解決がある程度早まることはあると思います。まあマンパワーも減ってきて、包括も忙しいですよね。池田町はうまくいってると言いながらも忙しいわけですから。これが、うまくいっていなかったらもうどうなっていたか。

北澤
上手くいってても、やっぱり忙しいんだ。

鈴木
そうですね。

北澤
いや非常に参考になります。そうすると二番目の質問では、池田町には、もともと生きがい焼きという高齢者の精神文化があった。そこにその精神文化を生かす機会として「ふまねっと」のようなツールがあった。それに加えて、社協が積み上げてきた住民向けの講習会、まあ意識啓発といいますか勉強会といいますか。備えるための、住民向けのメッセージの発信をずっと続けてきたんだと。
これやっぱね、意識啓発はすぐにできることじゃないから、住民に伝わるまでのそういう粘り強さっていうんですかね。それが効いたんじゃないかというご意見ですね。私もそう感じます。
もう一つ、私が見てて感じるのは、住民が持つ信頼感なんですよ。その役場とか社協に対する。その信頼されてるっていう感じがするんですよ。それは三番の質問なんですけど。「池田町の高齢者福祉政策の中で住民と役場との協働についてどう考えていますか?」ってことなんですが。あの介護予防や健康づくりは、役場の力だけじゃやっぱりこれはなかなか効果が上がらないと思うんですけど。住民がそこに参加してくれる。さっきの佐藤さんが言うような、「ファーストタッチ」が早くなるという効果があればいいんですけど。
意識啓発だって住民が集らなかったり、そっぽ向かれている市町村はいっぱいありますよ。その辺の住民との関係、住民との親密感、この辺は課長さんはどのようにお考えですか。ほかの市町村より、住民が近いな、親しみあるなあっていう、そういう感じはお持ちですか。

鈴木
行政自体が住民に近いってことは、特にないのかなと思うんです。ただ、間にクッションとして入ってくれる社協があるので、そこで上手くつながっていると感じます。その緩衝剤(接着剤?)がないとぶつかる。社協が、クッションのように、ちゃんといろんなものを吸収してこちらに流してくれるので、それで上手く回るのだと。住民との共同で何かやることについて、社協なしには考えられないことだと思います。行政の職員というのは、住民の方と接する時に、あまりいい思いをしないことが多くて、だいたい役場に来られるときは面倒な相談があるか苦情を言われるかです。わざわざ来て褒めてくれるなんてことはないので、こちらもやっぱりある程度距離を保って接してしまいます。
役場の職員は。間違いがない様にとか、苦情がこないようにとか考えて、失敗しないようにという対応になる部分が多いので、なかなか距離をつめるというのは難しいですよね。ただ、だからと言って、住民の方の声を聴かないで何かできるかというと、本当は生の声を聞いて、それを反映させたり、状況を確認してそれを生かしたりという事が必要なので、それが直接出来ない環境であるところに、社協の活動を通じて聞き取れたり、代わりに色々なことを教えてもらえたりというところがあって、そこがうまく行っているのかなと思いますね。

北澤
はい。そのような役割をやっぱり社協が果たしてくれてるっていうことなんですね。

鈴木
そうですね。

北澤
佐藤さん、そのへんの、あの住民との関係が、信頼関係のようなものは感じますか?ほかの社協は苦労してますけど。

佐藤
皆さん苦労してますよね、本当に。
役場の窓口にいくと全然やってくれないみたいなこともあります。そうなると住民が、どこへ行ったらいいのか右往左往して探しちゃうんだけど、社協だと、じゃあどこに行ったらいいのかを対応したりすることがあります。「なんでも順番があるからね」と教えたりとかね。
そういうことは、住民との間のクッションという意味では、どうやったら早く課題解決に行くのかっていうことを、ちょっとみなさんに教えてあげるだけでも、その信頼感というのは生まれます。
池田町社協は、職員が7人しかいませんけど、誰が電話を受けてもたいていのことがわかるし、ちゃんとお返しするっていうことを心がけているので。一つ一つの相談を中途半端に聞き流すんじゃなくて、ちゃんと解決方法を、1つ、2つ、こういうこともあるし、こういうこともあるし、決めるのはあなたですよっていうような形でまあ選択してもらうっていう対応をしています。
まあ役場もそういう感じでやればいいのでしょうけど、そうはなかなかいかないでしょう。

鈴木
そうですね。ちょっとやっぱりそこのスタンスは違ってきます。

佐藤
そういうふうにワンストップで住民に返すってことが信頼関係につながっているのではないでしょうか。あと研修に住民が集まらないことは、うちはほとんど当てはまらなくて、大体大盛況ですね。でそれはタイムリーなものをちゃんとセットして企画を立てることだと思います。ふれあい広場でも映画をやって、その監督も来てもらって話を聞きました。参加した時の満足感があるのかな。必ずアンケートに答えて頂いて、そのアンケートから私たちのモチベーションを頂きます。いつも予想以上に反響が大きくて、こういうのだったら、またやろうとかね。内容を吟味してやっています。
本音としては住民にふまねっとをやってもらいたいんだとしても、ふまねっとだけっていうんじゃなくて、もっとこう抱き合わせていろんなことを考えて選択してもらえるっていう感じの方がよくなってきてるのかな。皆さん価値観がだいぶ多様化してきているから、「これじゃなきゃダメだ」って勧めても「そうだ」って納得する人が少なくなっていくんじゃないかなと思う。だから、そこはすごく難しいなあと感じます。今の70代80代の人たちは、ある程度これがいいから取り敢えず来てよって勧めたら、まあまあ来てくれて、それで満足して帰ればそれいいんだけど、今後のことを考えると、まあ自分のことを考えても、広くメニューを考えた中から自分に合ったものを選んでもらう事になるのではないかな。

北澤
なるほどありがとうございます。企画がいつも新鮮でタイムリーでよく選んでると思うんですけど、これはいつも誰が考えていますか。佐藤さんが選んでるの?この映画監督とか映画のネタは。

佐藤
そうですね。大体、企画の情報をもらったりするのは、つながりですよ。講演会を頼んでいる会社と。まあ、そことの信頼関係かな。あともう一つはね、有名な先生が来てくれるのは、やっぱり十勝ワインの魅力があるからですよ。どこから人を呼ぶにしてもね、ちょっとテンションを上げてきてくださるので。やっぱり。そういうのも大事だと思うんですよね。愛町心が相手に伝われば、これ何とかしてあげようっていうことで味方になってくれるので。またインターネットがあるんでズームでいつでも連絡が取れるようになったので。

北澤
ありがとうございました。池田町がこうしてやっていることは、他の市町村もやりたいと思ってると思います。だけど簡単にはできないんです。例えば、ボランティア研修会をやったって人があつまらないですから。研修やったら必ず集まるっていうのは、コンテンツの力も勿論あるけれども、最初の住民との信頼関係を作るのに、ふまねっと運動のようなグループ体操で高齢者住民が参加して一緒に運動するのは、行政と住民が味方になってるって感じかな、ちょっと上手に言えないんですけど、その辺の信頼関係づくりに、ふまねっと運動は役に立っているのでしょうか?

鈴木
何かのツールがあって、そこをめざして、同じゴールを見ていくことで、お互いが仲間になれるという、そのツールになるかということですね。やはり、そういうきっかけとなる何かが当然必要です。よく行政がやってしまうのが、一から十まで行政で準備して、会場を作って、講師も用意して、住民はくるだけでいいよっていう形のものです。これはまあ行政は慣れていてやりやすいんですけど、そうではなくて手間をかけても、住民の方達に企画してやっていただくのは非常に重要なことだし、それが住民の方の力になっていくんです。けれど、それは役場の職員が、自分たちだけでやるよりものすごく大変で、じゃあ自分たちでパッとやっちゃった方が楽だなっていうことにどうしてもなるんです。
けれど、敢えてそこを、大変でも住民参加型を選ぶということをやってきたことが、この今の池田町の形に結びついているのだろうなと思います。それを町がやってきたのではなくて、社協がそういう風に作ってやってきてくれたからなんですけど。ただそれも、それにふさわしいコンテンツになるものがないと、ゼロからじゃ難しい。住民参加型はすごくいいと思うけれど、じゃあ何やるって、どっから考え出すっていうのは、更にハードルが上がるので、何かそういうものを利用して、「これはいいよね。皆で一緒にやったらいいんじゃない。」というものを盛り上げていくというやり方が非常に効果的なのかなと。

北澤
いやありがとうございました。素晴らしい。あの私も大賛成です。共感します。その一から十まで町がやるっていうんじゃなくて、手間も時間もすごくかかるけど住民が参加してまあ手作りのような企画を一緒に作り上げていくっていうのは「協働」ですね。「協働」がやっぱり生きたんじゃないかっていうご意見です。佐藤さんは、いかがでしょうか?

佐藤
今ね、全国的な問題で町内会が疲弊しているんですね。コロナ禍で集まれなくなっているのもあるんですが、「葬儀なんかも町内会で」というのも今少なくなってきてるし、お祭りも無くなってきている。本来そういうものが、きちんとコミュニティーのベースになっていたんだと思うんです。ちっちゃい子からお年寄りまで。それがなくなった時に、本当にそれでいいんですかっていう話を頭の中にもってないとその地域はちょっと厳しいだろうと思ってます。
でまあその役割もですね、いろいろ分析した話を聞くと、どこにも世話好きな人がいるわけですよ。世話好きの人が、結構全部やってくれるので、抱えこんじゃってみたいなことになる。そうするとその地域全体が育たない。このリーダーの丸抱えは、しょうがないことだけどもだめなんですよ。これから作るんであれば、ふまねっとの考え方が良くて、役割をその細分化して、皆さんがこうフラットな関係で全員が参加できるという形にしておいて、みんなで喜びも苦労も分かち合っていくっていうことです。池田町はそれでなんとか今日までもったのだと思います。

佐藤
大きな市町村は違うかもしれないんですけど、小さい市町村になればなるほどリーダーができる人が何人もいるわけじゃないので。あとそれに頼っちゃうと、この人がいなくなったら終わり。それを黙ってみてるわけにはちょっといかないっていうところで。池田町の町内会でもそれで悩んでいたんです。たまたま、町内会の事務局が社協にあり見てるからわかるんですけど、なかったら全然わからなかった。2005年に池田町からはじめて北澤先生のところに一番最初に行ったのは、町内会連合会だったんです。そして、みんなでやれるものを、町内会としてやっていかないと、あれもできないからやめる、これもできないからやめるってなったら、そもそも地域って無くなるんじゃないですかっていうところから始まったということですね。
池田町ではふまねっとが一番いいと思ってやったけれども、地域によってはね、それが何かわかんないところもありますが。

北澤
ありがとうございました。イベントでもその住民が参加して自分達で作り上げていくのが大事だと課長がおっしゃって、でもそれはまあ難しいことなんだ、それをやるのはまあ町内会なんかもその例だけれども、役割を細分化して、一人で抱え込むのではなくて細分化した役割をみんながフラットにこう参加できるような仕掛けがあると、それがいいんじゃないかと佐藤さんはおっしゃいました。まあ解決策の一つですかね、佐藤さんおっしゃったのはね。

佐藤
それをあのやっぱり少しこう意識的に創って行かないと、住民にその任せきりではうまくいかないんですよ。それが伴走的という意味です。だけど、それには、それなりの考え方を練らなきゃならないし、伴走的支援をやってるんですよということも、福祉課長や行政全体にも理解してもらわなきゃ進めないわけですよ。

北澤
なるほど。

佐藤
だから、池田町では毎月1回の役場と社協の打ち合わせをやっています。それをやってるからできるんです。他の市町村にも、そういう毎月の会議をやった方がいいですよって言ってるんですけど、いや始めましたっていうのはあんまり聞かないです。

鈴木
何をやっていいかわからないんでしょうね、きっとね。

佐藤
何やっていいかわかんないし、資料どっちが作ればいいんですかぐらいの話しかしないですから。そういうことじゃないんですね。

鈴木
実際、社協の現場ではこういうことに気を使って、こうやってやってるよっていうことを聞いてみないとわからないんですよね。どれだけ社協が苦労して、行政ではできないことをやっているかということは、やっぱり話を聞いてみないとわからないので、そこは会議を持って自分たちはこういうところに気を遣ってこういうふうに伴走してますっていうことを、ちゃんと伝えた方が良いと思うんです。

佐藤
行政と社協は定期的な会議をね、毎月一回ちょっと忙しいんだけど一時間でもいいからやろうっていうことで担当者と課長とやってるわけです。それはねずっと続けてきてる。これは平成27年からですね。

鈴木
そうですね。コーディネーターさんをおいてもらった時からやっています。

佐藤
やっぱり一番これができてないとしたら、社協の仕事は難しいんじゃないかというふうに思います。

北澤
そういうコミュニケーションと打ち合わせの会議があって、情報交換があって現場が分かって、それで社協の仕事が一緒にできると。

佐藤
そうです。ですから、行政と社協の会議で何を話せばいいか分かんないっていうのだったら、もうその時点で地域のアセスメント(課題分析)はできてないってことです。

北澤
そういう市町村もあるということですね。ありがとうございました。そしたら今のお話ですと、町内会なんかがいい例で、今後の町内会を考えると、皆さんの役割を細分化して一緒に参加するしかけがあった方が良いと、ふまねっともそのひとつだと言うことですが、それだけではだめで、これを伴走する大事な黒子役 バックヤードの仕掛けが必要だということです。そして、それを社会福祉協議会がやってると。で、そこの社会福祉協議会のやってることを、行政と社協が毎月行っている会議で共有するコミュニケーションができているからうまくいってんだと、これまでの成果ができたというふうにあのお聞きしました。はい。どうもありがとうございました。

北澤
最後に4番の質問ですが、他の市町村、過疎化と高齢化が進む市町村の住民の健康づくりや介護予防にとって大切なことは何か。池田町のモデルでええ何か。アドバイスがあったら、まとめをお願いしたいんですけど。

鈴木
そうですね。町がやっているというよりも社協がやってくれたことをバックアップしているというスタンスなので、そんな偉そうに言えることはなくて。行政としてやれることは、やはり限られていると思いますが、私達が思っているより住民の方って考えてくれるよってところを、もう少し信頼できたらいいと思うんですよね。行政の人間が、もう少し住民の方を信頼して、やってもらえる可能性をもう少し信じて動くことがあってもいいのかなと。
それはキッカケが何もないとなかなか得られないんですけれど。私も社協の色々な事業に参加したり、やっていただいていることを見たり聞いたりしている中で、ああこういうふうにも住民の方達にもやってもらえるんだとか、こんなふうにも考えてもらえるんだとか、ちゃんと理解していただければやってくれるんだと感じたことは何回かありますので。行政の人間が、住民の方達の可能性をもう少し信じて、やってもらうことがあってもいいのかなあと思います。

北澤
いやー、素晴らしい。それはこれまでの長い経験もあるんだと思うんですけど、非常に重たい重たい言葉ですね。いやありがとうございました。ええと佐藤さんからもどうぞお願いします。

佐藤
そうですね。池田町は十勝でも一番高齢化率が高い(2022年時点で44%)んですよね。だから高齢者が多いと大変だなってイメージというか、一般的にはあると思うんですけど、でも関わっている住民の皆さんを見ると、そんなことを思ってる人はいらっしゃらないんだと思います。やっぱり、健康で歳を重ねたいっていうのが皆さんの想いなんだなっていうのを凄く感じるので。要するに健康な100歳がたくさんいることが、それがみんなの願いなんだと思って。
じゃあそのためにどうすればいいかっていうと、高齢化率が高いのが問題ではなくて、昼間に高齢者が交流する場がない。交流人口が減少しているっていうところが、一番の課題なんじゃないかなって私は思っていますので、まずそれに気づくっていうこと。皆さんがそれに気がつくことが大事だと思います。
よく考えたら私自身も気がついてなかったんですよ。それは、デイサービスだけだったんですよ。地域にあったのが。
それを今のうちからね、その皆さんが行きたい場所を町の中にこんな場所があったらいいのにっていう、あったらいいのにから、少しずつ現実に近づいていくっていうことで、マックスバリューの2階もなんにもなかったんですけど、今は少年団で使いたいっていう話もでてきて、魅力がある場所に変わったと私は思っています。あの広さをどうしようとか最初は思ってたんですよ。広くて。ですけど、その広さも今は感じなくなってる。月曜日から金曜日まで全部開けてなくてもいいんです。コンビニが24時間開いてなきゃいけないのかっていうのと一緒で 本当に必要なところをきちんと考えてやれば、フルスペックじゃなくてもダウンサイジングできるっていう。人口1万人以下の市町村からね、ちょっと規模を小さくしてやればまだいけるんだっていうところを示せればなあっていう気持ちはあります。

北澤
いやありがとうございました。非常に実りのある話をありがとうございました。聞いてみて初めて知ったこともあります。あれですね、鈴木課長、この佐藤さんみたいな社協が池田社協があってよかったですね。

鈴木
ええまったくその通りです。はい。

佐藤
でもね課長がね、理解してくれているからできるんです。住民がいて、社協がいて、行政がいて、三位一体っていうことでできていると思います。いくらがんばっても、やりたくても、行政のGOサインがでなかったらできないですから。それで、ここに先生が作ってくれた資料がありますけど、ふまねっとのところが、150万円代になってますけど、これ住民活動支援員っていうね、これはあのふまねっとの目的で採用した職員の人件費だけではないんですが、ボランティアポイントの管理業務を含めて予算でこれだけ確保してるんです。実績払いになるので。今、コロナで開催数が減ってくると、この金額は、実際は減るんですけども。通いの場にはね、必ず調整役が必要だって思ってたいたけど、なかなかそういう新しいものって簡単に予算確保できない。これを課長が、その行政の制度の枠の中で確保していただけたということがあって。この150万っていうのは、一人分の人件費にも満たないんですけど、数倍分の効果を実はあげていると思うので。細かなお互いの連携っていうことでやりたいことができています。

北澤
鈴木課長、全く私は知らないので教えてもらいたいんですけど、この一般介護予防交付金というのが、これ2020年度は945万円ですが、これはあの介護保険を財源とする場合は、あの町の負担はそのうちの12.5%ですよね。

鈴木
そうです。

北澤
介護保険の財源負担割合は、国が25%、道が12.5%。個人が50%ですから、ええと一般介護予防交付金が今945万といったら、その12.5%が町の負担になりますね。その理解で間違いありませんか?

鈴木
大丈夫です。

北澤
はいありがとうございました。じゃあ、そうしたら、私は思うんですけど、この945万円の87.5%は、池田町は負担しなくていいということになります。それでは、この交付金を使って、ふまねっとサポーターをたくさん増やして、有償ボランティアとして活動してもらうのがいいのではないでしょうか。そうすれば、サポーターも増える。そして、そのサポーターの活動機会をどんどん多くして、これをバックヤードで支援する地域活動支援員もどんどん増やしていく。そうしたら、池田町の高齢者の交流人口はもっと増えて、介護予防の効果が高まる。それによって、要介護認定者が減り、介護給付費は減額する。それだけではなく、高齢者の雇用が増える。それだけではなく、その高齢者の雇用に必要な賃金も、池田町は12.5%だけ負担すればよくて87.5%は外部からえられる。これはふるさと納税よりも、更に効率がよく池田町の経済に大きく貢献する。最大のポイントは、高齢者は元気になればなるほど、これまで長い間払い続けてきた「介護保険料のもとを取る」ことができる。

鈴木
この交付金型での活動は色々難しいですよ。上限額もありしますし、昔やってなかった市町村の上限は少ないとかあるんですよね。だからストレートにこう持ってきたら全部使えるかと言ったら、違うんですよ。

北澤
ええそうですか、じゃあいろいろテクニックというのもあるんですね。わかりました。まあその辺のことは、今日の取材では念頭に置いてませんので、また機会があれば、教えて下さい。今回の介護予防と住民との協働というところで、鈴木課長とあの佐藤局長さんのお話を充分おききすることができました。私大変エンジョイしました。あのこれまとめて記事少し時間がかかりますが、まとめたらまたご覧いただいて修正をお願いしたいと思います。
本日はどうもありがとうございました。大変ご多忙のところ、ありがとうございました。

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